見下ろした夢
番田 


部屋には誰もいない
探していた 僕は 詩を
この言葉はどういう意味なのだろう
何が書かせているというのだろう 詩を
書いてみたけれどわからなかった
でもきっと 詩を 書いていた
ペンを握って 書いていたのだ
ノートの上を さまよいながら


スターバックスの 渋谷で
人の渦を見つめていた 駅前から
どこに向かうというのだろう 僕の手には
氷にされたショートサイズの時が
スターバックスの入場券として
ゆすられているだけだ 僕は
ゴミ箱に それを 確かに
しっかりと 穴の奥へとつっこんだ


悲しみの中で
もみ消すための 記憶を
歩いていた かつての自分を見つけて
交差点の中で ふいに立ち止まると
夢を見た だけど 今は違う
後ろ向きな方へ歩き出している 君もきっと
今は 歩きだしているのだろう
だから さようなら また会う日まで


自由詩 見下ろした夢 Copyright 番田  2013-11-26 01:46:35
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