群青 参加作品 テーマ主題【 無 】【そこには無が、有った】
るるりら





【そこには無が、有った】

たまった洗濯物は無かった
たまった洗い物は無かった
たまるストレスは無かった
たまったヤルセ無サは無い
不健康な食生活は無かった
不摂生な昼夜逆転も 無い
許せない大嫌いな人は無い

不必要なものは無かった
不一致な考えは無かった
不確かなものはなかった
不行き届きな管理も無い
不出来なものもいなかった
不人情なものもいなかった
不景気だと思う事も 無い

セルフイッシュ。
すべてを排した想像の果てに、
ひとつの空想が うまれた。
もし、わたしを人魚のように演出するとしたら
なにが 必要か。

ばたふらいの心。その心は、生きる蝶にあらず
蝶のような心花と繋がれるまで舞うというお約束の【無心】を踊るカルイ、人魚の魂。

それを どうやったら 撮影できるか?
カメラの前には
薄い水槽の衝立を置く
わたしは吊るされて
ゆっくりと旋回する
わたしに つけたられた尾ひれに
バタフライらしい エフェクトが かかる
「わたし 鱗粉を撒いちやうよ 」
人として生まれてくると ときに
人ではないことを想像する 。






否、想像をつくりこめばつくりこむほど  私は、だれとも繋がれ無い
わたしは 自分のすわるべき椅子を 見つめる
朝日が椅子に光と蔭を与えている
与えられた光りと蔭
なんのへんてつもない椅子の背もたれの
うつくしいシンメトリーでできた影で 
浮かび上がった文字があった






その文字は
【無】

いままで意識されずにきた
なんの変哲もない椅子の美


携帯写真+詩 群青 参加作品 テーマ主題【 無 】【そこには無が、有った】 Copyright るるりら 2013-10-22 12:55:01
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