機関車男  
服部 剛

どうすれば僕は  
急坂さえも一気にのぼる  
機関車男になれるだろうか?  

この腹に内蔵された  
エンジンの蓋を開けたら  
思いの他にぼうぼうと     
炎は燃えていたのです  

蓋をばたん、と閉めた後
遥かな明日の方角へ       
のびゆく線路の旅をみつめれば
ふつ…ふつ…ふつ…と、鼻息荒げ          
頭の煙突は熱を帯びてくるのです――          

まず、目の前の
坂をのぼって曲がりくねった後  
だんだん遠くに見えてくる  
明日の駅を目指して  
僕という名の機関車は、今  
無心でゆっくり、走り出す  







自由詩 機関車男   Copyright 服部 剛 2013-08-18 18:55:44
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