二十歳
アオゾラ誤爆

浅い眠りから覚めて
声を聞いた
ようやく橋を渡りきったんだ
そしてあなたが待っていた

片手には宝石を
もう片手には駐車券を
その瞳にはあふれんばかりの
頑なな愛をたずさえて

溶けはじめた氷が
山間をくだり ぬるくなるまでのあいだ
あどけない肩を
晴れた空の下にさらしていた


真下に
川は流れている
人々はランプを点けて
せわしなく 行き交っている

背は伸びずとも
もう三月だ

坂道も曲がり道も
いつまでも続くかのようで
饒舌すぎない上機嫌のあなたが
しずかに ハンドルを捌いていく

でもいつまでも続かない
賑やかな恋と旅


自由詩 二十歳 Copyright アオゾラ誤爆 2013-06-13 02:01:31縦
notebook Home 戻る  過去 未来