果物夫婦
服部 剛

「二十世紀」と「ラ・フランス」は 
親しげに肩を並べ 
(互いにちょっとの、すき間を空けて) 
顔も無いのによろこんで、佇んでいる。 

「偶然だねぇ」 
「ふしぎねぇ」 

ほの青さを皮に浮かべた彼と 
熟した身を火照らせた赤い彼女の 
丸い体と長い体は 
ひとつになり、地に影を伸ばしている 






  


自由詩 果物夫婦 Copyright 服部 剛 2013-06-05 23:19:40
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