桜並木の川
服部 剛
山桜を眺めると、落ち着いてくる
白い花々は、何処かうつむいているから。
山桜を通り過ぎると、落ち着いてくる
派手さは無く、思いをそっと抑えているから。
遥かな国の方向へ
さらさらきらめき、伸びてゆく
川沿いの並木道を
少し屈んだ小動物のような
翁
(
おきな
)
の背中は
ゆっくり早く、遠のいて――
川を横切るてふてふを
瞳のレンズに映す青年の心は
らんらんと燃えながら
遠い翁の往く方へ、歩み始めた
自由詩
桜並木の川
Copyright
服部 剛
2013-04-28 22:07:59
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