AquArium

流れている
あの冷たい鋭さも
巻き上げるすこし生ぬるい風に
変化という言葉の意味を知らされる

数多の言葉をもちながら
いちばん汚い形容詞を選んで
残る、取り残されたような感覚に
停滞した季節
でさえ、もう風が吹いている

なぜ気付けない
すでに在る愛に
より確かさを求めて傷つけあう道を
歩んでしまうのだろう

確認しあう無意味さと
その行為の奥にある危うさが
恐ろしく強い力で僕らを包んでしまって
抗えない運命に啼いても
流れている

最後に残るのは
ただ
愛であることを知る
桜が散っていたことに
切なさと共に胸を撫で下ろして、

生きてきた時間を実感する
また新しい季節に
あなたと縁を紡ぐことを
信じて
信じて
生きる


自由詩Copyright AquArium 2013-04-15 12:54:45
notebook Home 戻る  過去 未来