遠吼え 
服部 剛

ある日、届いた封筒から取り出した紙は 
「わんニャン展」のお知らせで 
三日後にみなとみらいの地区センターの 
展示会場に入るや否や 
平日の人もまばらな空間に 
木霊こだまする…無数の悲痛な鳴声達 

私が吸い寄せられた 
一枚の写真は 
人間ひとのいない福島の村 

――黒犬は、瓦礫の山の頂で 
  消えた主人を今日も呼ぶ―― 








自由詩 遠吼え  Copyright 服部 剛 2013-03-08 18:24:30
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