猫背道
komasen333
何もなくても光が
降り注いでいた日々を思い返す
傍らでいつも咲いていた笑顔
徐々に枯らしてしまっていることにも気づかなかった
1人きりの道
背を少し丸め歩いていく
すれ違う家族連れ
ささやかな優しさ すべてあげる
すれ違うカップル
僕の分も 未来を 楽しんでくれ
夜がやってくると
寒くもないのに震えてしまう
朝がやってくると
予定もないのに慌ててしまう
選んだ孤独に包まれ
選んでくれた孤独を抱きしめる
この詩を求める誰か
遠い未来にいるはずの誰かへ
この詩を求めた何か
遠い過去にあるはずの何かへ
時代がめまぐるしく
色を変えていく中で
瞬きをすることにも疲れて
環境が狂おしく
音を変えていく中で
五感を開くことにも疲れて
世界よ、ありがとう
感謝しきれないのを承知で感謝したい
人生よ、ありがとう
報恩しきれないのを承知で報恩したい
せめて、詩を書くことを通じて
傍らでいつも咲いていた笑顔
枯らしてしまって ホントごめん
傍らでいつも咲いてくれた笑顔
どうか どうか 幸せになっていて
1人きりの道
背を少し丸め歩いていく
すれ違う同年代
微かに残る この情熱を託す
すれ違う老若男女
幸、多からんことを祈るよ
鏡の前で座り込んだ
遠い未来にいるはずの少女へ
雑踏で空を見上げた
遠い過去にいたはずの少年へ
今、この詩を贈る 届かないとしても
今、この詩を贈る 響かないとしても
何もないけど
この今にも光は降り注いでいるのかな
いつかこの今を振り返れば「光に溢れていた」と思うのかな
風にゆれる季節
愛に溢れる街角
月が照らす公園
夢が芽吹く駅前
当たり前だったすべてが やけに美しく見える
なつかしい香りを背に
あたらしい風景を胸に
1人きりの道
背を少し丸め歩いていく
1人だけの道
背を少し丸め歩いていく
自由詩
猫背道
Copyright
komasen333
2013-03-08 01:53:51縦