愛犬の声 
服部 剛

老人ホームで百歳のお婆さんが旅立ちました 
「若い頃桜島が噴火してねぇ・・・ 
 首輪をつながれた愛犬の悲鳴が 
 今も聴こえるんだよ・・・   」 
遠い昔に世を去っても 
お婆さんの心に消えぬ、あの悲鳴。 
お婆さんが世を去っても 
介護した僕の心に何故か蘇る、あの場面。 

今頃ましろい遥かな国で 
お婆さんは歩いてゆく 
長い間尾っぽを振って待っていた 
愛犬の元気な呼び声の方へ 








自由詩 愛犬の声  Copyright 服部 剛 2013-01-28 21:53:39縦
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