いのちの音
服部 剛
夜の部屋で
ぎたあの絃を爪弾けば
音のふるえは
静寂
(
しじま
)
に消えて
再び秒針の音は響く
繰り返される毎日に
どうすれば僕は
音のふるえとなるだろう?
単調なる、秒のまにまに
どうすれば僕は
一瞬の光となるだろう?
ぎたあを爪弾く指を、止め
秒針の音に耳を澄まし
左胸に手をあてる
もう一度――
私という不思議を味わおう
自由詩
いのちの音
Copyright
服部 剛
2013-01-11 23:40:10縦