日々の旅人
服部 剛
伊豆高原駅から
赤沢へとバスに乗り
日帰り温泉館の4階へと上り
露天風呂に身を沈めた
目の前は、いちめんの太平洋
(あ、雲が崩れて金の鳥に・・・)
そう思った次の瞬間
「雲間の顔」があらわれた
○
○ ○
○
ふと目に入った、丸い岩も
ひとりの顔になっていた
(
)
(
もし、こんなにせちがらい世の中の
遠い空の下に重荷を置いてきた
旅先で
目に映るすべての風景達が
旅人を祝福してくれるなら――
あたらしい目を開いた私は
これからの日々を旅する者になるだろう
自由詩
日々の旅人
Copyright
服部 剛
2012-12-29 23:58:09縦