肝腎
あおば

              121216



臓器売買のニュースが流れる度に
余裕のある人達が居るものだなと思う
肝臓も腎臓もだいじな臓器だから
だいじに扱わなければならないのは言うまでもないことだが
彼等は沈黙の臓器とも呼ばれ
苦しくても弱音を吐くことなく
代々の奴隷のように謙虚で素直
今朝もいつものような顔をして仕事に着手するのです
黙々と仕事に励む傍らには
耳の病で悩んでいる音楽家も居て
ベートーベンなんかは今でも演奏されている
第9交響曲もいつ聞いても好いなと思うのだけれども
なんかい聞いても
肝腎の聞く耳がお粗末だから本質はいつまでも理解できないと思っている
一年のストレスを発散できるから
9の次は10となり桁が上がるから
縁起がよいのだと年送りの行事のように鳴らされて・・


自由詩 肝腎 Copyright あおば 2012-12-16 21:13:17
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