斜線に着色
あおば

                121216



斜めに細く引かれた線を
蜘蛛が引っ張ったように煌めかせては
まるで天国模様だと僕は思う
ギラギラした太陽があっという間に沈む季節には
蜘蛛の糸は断ち切られたりして
見かけることは少なくなったのですが
シカの鳴く声を聞くと
斜めに横切って急いだ記憶が甦る
墨絵も好いが彩色画も好いねと
出口予報から当選確定が出て
早くも責任を問う声も聞かされて
斜めに引かれた線の強靱な燦めきと
そよ風にも揺れる繊細な佇まいに
なんと形容したものか
偽善的な沈黙を
キミドリに着色したがっている



自由詩 斜線に着色 Copyright あおば 2012-12-16 20:59:14
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