道 
服部 剛

今日も少女は古着姿で 
脇に小さい黒板を抱え 
貧しい童子わらべ等の集う学校へ続く 
土の道をゆくだろう 

今年も一年、この黒板に 
どれほど白いチョークの文字が 
書かれては消えたろう     

童子等のすでに帰った 
空っぽの教室で   
夕陽を見てはうつろいゆく 
一日・一月・一年よ――   

白いチョークの文字は、消えて良い。 
童子等のこころに消えぬ 
言葉を夢見て 
少女の瞳は思案に俯きつつも 
明日へ向かってゆくだろう  

黒板をしっかり抱えて 
貧しい笑顔で無邪気にさわぐ 
童子等のいる 
あの教室へ続く道を 








自由詩 道  Copyright 服部 剛 2012-12-15 18:44:12縦
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