あかね色の畑 
服部 剛

ふいに足を止めた、夕暮れの帰り道。 

畑の道の傍らに、夕陽のあかねに染まる 
とうもろこしの草々は、きれいに整列して 
緑の背筋をまっすぐ伸ばし 
両腕の葉をひろげながら 
顔を揃えてにこやかに、天をみていた 

(僕の鞄には「死者の書」が入っている) 

夕暮れのひそやかな風の吹く頃、かれらは 
とうもろこしの畑でふいに、姿をあらわす。 








自由詩 あかね色の畑  Copyright 服部 剛 2012-12-13 17:55:16
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