証
そらの珊瑚
葱のねっこを捨てずに水に挿しておく
数日のちにその断面からあおい芽が現われて
明日にむかって伸びていく
これは生きている
証
(
あかし
)
多くのものは要らないという
水と
空気と
王妃の冠を縁取るような美しい光と。
透明の硝子壜の中で
キミは二度目のいのちを
今、ふるえながら生きている
西向きのキッチンで
わたしの証がホウロウ鍋で煮込まれて
灰汁
(
あく
)
を吐きながら形を亡くしていく
水と
スパイスと
魔法使いの手先のような美しい龍の火と。
自由詩
証
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そらの珊瑚
2012-12-12 09:06:49
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