水晶
佐藤伊織
死ぬために
わたしという赤い水晶体が
こぼれ落ちた汚泥を胸に抱きしめて
最後の水道を歩いている船はもういってしまった
孤独が
わたしの人生の意味であるなら
わたしは十分孤独であったろうか
自由詩
水晶
Copyright
佐藤伊織
2012-12-09 00:59:58