ひかり
吉岡ペペロ



月はあんなに高いのに

その真下しか海は光っていなかった

ぼくがこうやって命を使っても

世界じゅうを照らせないのとおんなじだ

ひかりはこの世の一部分しか照らせないのだ

そのことがぼくを静かにさせていた

この世の一部分が

こんなに大切だったとは

不思議な静けさのなかで

ぼくは知ったのだ

ぼくはこの世の一部分のひかりになる

ひかりになりたい


携帯写真+詩 ひかり Copyright 吉岡ペペロ 2012-11-29 21:31:01
notebook Home 戻る