(批評祭参加作品)『ある日、やってくる野性(ワイルド)なお母さんたちについて』
いとう
『ある日、やってくる野性(ワイルド)なお母さんたちについて』
著者名:三上その子
出版社:まつ出版
定価 :1,200円(本体1,200円+税)
日曜日、
三省堂書店の帰りにフィクショネスという本屋に寄って
三上その子さんの詩集を買った。
三上その子さんはその端麗な容姿に似合わず
骨太な詩を書く。と俺は思ってる。
表現が骨太なのではなく、詩の芯が骨太なのだ。
神様だった私は
スペアリブの脂身を
ウハウハと食いちぎり
いつかこうして
自分も誰かに
食われるだろうと思っていた
(「視肉になりたい」より抜粋)
詩学2002年6月号にも詩が載っている。
何も変わらないと
知っているのでこんなに楽な午後はない
(「私たちは午後の川辺に寝て」より抜粋)
いろんなイベントで何度か見かけたことはあるけど、
きちんと会話したことはない。
事務的な話はしたことがあるかもしれない。
2001年のウエノポエトリカンジャム。
三上その子さんはヘソを出して踊りながら詩を読んでいた。
打ち上げの後、深夜、
上野公園で半分寝ながらみんなで花火して遊んでたときも、
三上その子さんはヘソを出していて、
なんかそれが普通で、
俺はその普通さに圧倒されていた。
記憶の中ではまだ圧倒されている。
普通であることではなく、
普通でいることは、
骨太な人じゃないとできないと思っている。