性 の 器
松岡宮

乳がん検診のお知らせが区役所から届いた
もう そんな 季節なのか
下着のささえでやっと保たれた楕円の器を
ななめに置かれた板に押し付け
もう一枚の板を近づけ
 さあ 息を吸って 息を吐いて
 痛いっ!
あっけなく つぶします

 おむねのかたちなんて もう よろしいでしょう
 びょうきをみるので ひらたくしてもよいでしょう
 だって いのちが いちばんだいじですものね

それはもう性の器でなく
それはもう形状すら保てず 
疾患がないか確かめるためだけの 余分な器となったのです

 あら よくのびますね
 これでびょうきが よくさがせますよ
 けんしんのあとは てのべうどんにいたしましょうか

思い出す
あれはまだ むくちだった秋
大きなてのひらに愛されたわたしの器
ことし 石灰化が見いだされ
要観察となりました


自由詩 性 の 器 Copyright 松岡宮 2012-10-11 21:23:53
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