ドロンパ
三上あず

目が覚めたら 夢のような世界だった
楽しくて嬉しくて ほんとの世界を忘れてた
あるときふと 目が覚めて
極彩色が チカチカと
(ひとつも目に優しくないのね)
そんなことを考えていたら
もう一度 目が覚めた
(やっぱりこちらは いくらかやさしい)

もう一度目がさめるのを恐れて
夢の世界の人々に 手当たり次第に聞いた
「こちらが夢ですか あちらが夢ですか」
皆が皆不思議そうに 呆れたように
何のことだと 言うもんだから

言うもんだから



(ばれちゃった)

小さく聞こえて世界が消えて
残ったのは 色のない部屋


(ばれちゃった)
小さな煙が 空間に溶けた


自由詩 ドロンパ Copyright 三上あず 2012-09-27 15:22:28
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