そんなまちにすんでいる
たりぽん(大理 奔)

いまだに焼かれている
真夏の紫外線に焼かれている
皮膚を失ったその石積みが
角質化した褐色のコンクリートが
汗ばむのは
放射熱、反射光
白いテントで防げないその閃光に
遠く台風雲を浮かばせる落陽に
ハンバーガーをかじりサングラス
七分丈のパンツをはいた白人も
シーバスを釣る釣り人も
北海道から反対に来たという
婦人の日傘も
いつも反対が仕事の人も
悲しむ人も、笑ってる人も、怒ってる人も
ガソリン焚きながら
クーラーのきいた涼しい部屋で
もうそんな世界は来ないとあきらめてる人も
灯篭を流す人も、儲かった蝋燭屋も
もうずっと真夏だ
のどが渇く真夏だ
デンキがないと困る夏だ
発電すると怖い夏だ
夏だ、夏だ、
あの日からずっと夏で
いまだにずっと
やかれている
びょうどうに
やかれている



自由詩 そんなまちにすんでいる Copyright たりぽん(大理 奔) 2012-08-19 22:45:37縦
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