空を見る
服部 剛

銀行ATMの画面に映る 
貯金残高の、底が見えた時 

日雇いの如き自分に 
歯軋りをしながら  
この手を額にあてて、考える 

一日の労働を終えて 
家に帰れば迎えてくれる 
妻と子のあどけない笑みに 
どうすれば応えられるかを―― 

息を吸っては吐くように 
一月の稼ぎが 
そのまま吐き出されてゆく 
生活の底辺から、俺の詩よ 

青空に顔を向けてのびあがれ 








自由詩 空を見る Copyright 服部 剛 2012-08-13 21:44:03
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