小包み・函館山
たりぽん(大理 奔)

今日、両親から荷物が届いた

シャケは辛塩で、焼くと真っ白になる
タラコは無着色で、見た目はマズそう

これら北海名物を口に運びながら
函館山に打ち寄せる
海峡の早潮が岩に砕けた白濁の泡を
おでこのあたりに思いかえす

星空の一番明るいところを切り取ったような夜景を見るとき
その背中で、砕け散る波たち
そのざわめき
そのつめたさ

父と母は坂道を下りた魚屋で
そんな故郷の記憶まで詰め込んで
決まってこの季節に
送ってくるのだ


未詩・独白 小包み・函館山 Copyright たりぽん(大理 奔) 2004-12-12 00:51:14
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