よろこびの歌 
服部 剛

草野心平さんの蛙の詩を読み 
古い本を閉じた後 
夜の散歩へと、家の門を出た 


  がわがわがわ 
  がわがわがわ 
  がわがわがわ 
  がわがわがわ 
  がわがわがわ 


眉の太い心平さんの 
ほころぶ顔をうっすら映す 
夜空に吸いこまれてゆく、無数の文字 


  がわ がわ がわ 

  がわ がわ がわ 

  がわ がわ がわ 

  がわ がわ がわ 

  がわ がわ がわ 


林の奥の田んぼから 
夜道の闇に染みわたってゆく 
蛙の家族達による 
よろこびの歌 








自由詩 よろこびの歌  Copyright 服部 剛 2012-08-01 20:39:29
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