山岳進行
komasen333

辿り着いた瞬間に 転げ落ちてゆく
上昇スピードに吊られて
重力は引き摺り下ろしてゆくのがお好きで

上手く
着地できてからが 本当の意味での勝負
穏かな下り坂なのか
断崖絶壁なのか
そこに辿り着くまではわからない構造

だからと言って
登ることをはなから諦める
それはあまりにもつまらないし
それでは
決して満たされることはないと知っている

山は1つじゃない
ほら、よく見渡してみれば
空も、海も、大地も一つ一つが山
なんなら
自分で作るのもあり
すべては意志に懸っている

一人一人に合った山がある
それは
難易度の問題ではなく
継続しがいがあるかどうか 
その一点に尽きる

見下ろせば
簡単にバカにできるこの世界内で
少し下りて
歩幅を合わせて登ってゆく醍醐味

見上げれば
簡単にうなだれるこの世界内で
少し
左右を見渡して呼吸を整える
辛いのは
悩んでいるのは
苦しんでいるのは 自分だけじゃない

月曜のように
土日を活かすことで
はじめて得られる休息

土日のように
捉えてみることで
余分な力が抜けて走れる平日

一人一人に合った山がある
一人一人に合ったペースがある
文化を享受しているだけじゃ味わえない
教養を注入しているだけじゃ身につかない

そこに 山がある
そこで 山が待っている
あなたが登ることを
あなたが下ることを 待っている


自由詩 山岳進行 Copyright komasen333 2012-06-18 00:35:15
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