私たちの世界を終わりにしたかった
komasen333

「 誰でもよかった・・・ 」
続くありふれた供述
理由は何だったのかな
解明される前に死刑だ

おそらくあった
おそらく沸き上がった
外から見れば不確か極まりないが
当人からすれば当然の帰結
しかし
肝心の当人にすら
語る術がなかった
表わす意思が欠けていた
その果てでのゲームオーバー

「 社会環境が・・・ 」
「 時代背景が・・・ 」 
どれもこれも煮えきらない
続くありふれた分析
続くありふれた考察

「 自殺と同義の無差別殺人・・・ 」
それもどうなんだろうな
「 自分の人生を終わりにしたかった 」
という供述をそのまま鵜呑み
続くイージーな分析
続くイージーな結論

結局、
一件として満足な
分析と考察が聞かされることはなく
また、
イージーな「ヒド過ぎる!」が吹き荒れ
「死刑!死刑しかない!」に着地か

散発的ではあるが
「このままでいいのか?」
そんな風に
憂えるのが何よりも既にありふれだ

昔もあった
昔からあった
殊更に大きく引っ掻き回し
なんちゃって分析オーダー
なんちゃって考察テイクアウト

「いつの時代のだ?」
と思わずにはいられぬ写真
卒業アルバムから引っ張ってきて
得意気に「これが犯人だ!」と勝ち誇って
あとは知ったことか

それは私たちという「世論」そのものだ
それは私たちという「時代」そのものだ
それは私たちという「民度」そのものだ
それは私たちという「丸投げ」の帰結だ


自由詩 私たちの世界を終わりにしたかった Copyright komasen333 2012-06-12 23:58:12
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