あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー  
服部 剛

机上の聖書の上に置かれた 
ひとりの骸骨が 
遥かな明日の空を視て、笑ってる。 

骸骨は、恐いものと思っていたが 
全てがそうではないらしい 

どんな人もいつかきっと骨になり 
顔の無い風の姿になり 
空に溶け去る時 
密かなサインを地上の誰かに贈るという 

不思議な日向ひなたになっている 
窓辺の机上の骸骨は 
空に吹く 
風のサインを受け取って 
ふにゃりと、笑っているようだ 






 


自由詩 あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー   Copyright 服部 剛 2012-05-23 19:24:00縦
notebook Home 戻る  過去 未来