鳴り止まぬ潮騒
komasen333

絶望のない
暗い 暗い 海を泳いでいる
起きたときには
そうなっていた そう鳴っていた

フライドポテトを食べた直後の
人差し指と親指にまとわりついた
まどろんだ違和感のようなものが
断続的に
拙速気味に
心象風景を占領してゆく

責任なき自由か
自由なき責任か
無理矢理
絞り込まれる選択肢の数々

文化が
涵養とも狂気とも程遠い悲鳴を伴い
絶望から
高速で転がってゆくのを半笑いで見送る

政治が
熟議とも独裁とも程遠い嘆息を伴い
断崖から
光速で転がってゆくのを半笑いで手拍子

ありとあらゆる決断を否定し
ありとあらゆる延期を肯定する
舐めきった安静で
冷めきった瞳孔で
暗い 暗い 
いつかのような波に呑まれてゆく


自由詩 鳴り止まぬ潮騒 Copyright komasen333 2012-05-23 15:24:15
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