めおと島ー松島にてー 
服部 剛

夫婦みたいに並んでいる 
ふたつの小島の周囲には 
ひかりの宝石を無数に散りばめた 
松島の海が穏やかに 
さらさら滑ってゆくのです 

先ほど赤い福浦橋の上から 
遠い空の下にいる嫁さんに 
旅の便りの電話をしたが 
他愛の無い会話より 
もっと大事な情景を、僕は今見ている。 

夫婦のような 
ふたつの島の周囲にきらめく 
無数の宝石等はきっと 

僕等の日々の周囲にも散りばめられ 
目を凝らせば 
見えないサインが、贈られている 

この旅から家路に着いたら 
松島の風が唸って歌い 
幾千本の松の針が踊っている 
木陰のベンチで書いたこの詩を 
嫁さんと周に、読んでやろう。 

あぁ、今、天空の雲がよけて 
ひかりの宝石がさらさら滑ってゆく海と 
日をそそがれる頬がほこり、とあったかい 








自由詩 めおと島ー松島にてー  Copyright 服部 剛 2012-05-19 22:13:13縦
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