朝もや・信貴山
たりぽん(大理 奔)

海に架かる
一番長い橋に向かう電車
無人駅で降りると
星空に冷やされた風が肩をすり抜ける

頬がほてってくるようで
駅からずいぶん遠くまで歩いた
通学路を思い出す

一度だけ手を繋いで歩いた
てのひらのやわらかさも

・・・あの改札に置いてきたのだな

消えかけた切ない記憶の中
朝練で見上げた信貴山

朝もやの中で
なんだか
あなたの曲線に
似ていた


未詩・独白 朝もや・信貴山 Copyright たりぽん(大理 奔) 2004-12-06 23:09:24
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