交通安全教室
ゆうと


からだのどこかでおぼえてる。
きみのこと、いくつかのこと。
ひとにはいえないような、
ひとのことはいえないはなしをしよう。

青信号であしたはすすみ、
赤信号できのうはとまる。
きょうはいつでも黄信号。
走らなきゃ、まにあわない?
走ったら、あぶない?
注意深くね、でもすぐ決めてね。
黄信号は点滅しているの。
いつでもそうだよ、あぶないよ。
きみが生きてるのはふしぎなんだよ。
めぐりあわせって、なんだろね。

からだのどこかでおぼえてる。
記憶のなかにはだれかいる。
だれだろう、きみは、いつからそこにいるのかな。
忘れたころにやってくる、
涙と当たった景品は、
きみのおかげで手に入れた。
きみのおかげでなくしたなにかの、
代わりなのかもしれないけれど。

青信号はつたえているよ。
だいじょうぶ、すすんでおいで。
ぼくがいつまで生きるかどうか、
答えはしないやさしさと、
先のみえない道のうえ、
青信号はよんでいる。
ぼくを待っててくれている。




自由詩 交通安全教室 Copyright ゆうと 2012-04-18 16:13:12
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