うたたねのすきま

ゆらんとした
わたしのおなかのなかで
じゅうぶんな呼吸をし
みちみちて
のんだり 跳ねたり 食べたり
していた
もう うまくは
おもいだせない
ゆうべ
かっこうわるい
シャツの柄




おふろでうたううたほどに
簡単では
ないんだろう
力を込めれば
まちがえることだって
できたんだろう
けど
うたなんて
どこでもうたえた
ということ
おふろで頭を
洗ってやった
ということ



シャツの裾が
すこしだけ黄ばんでる
ゆうべのうたに掠れた
せいかもしれない



ぼんやりとする頭を起して
じっと凝らせば
凝らすほど
まつげが目に刺さって
急いでまばたきをする
ふゆの陽射しの表面が
かわいたくうきにしみて
とりかこむように液体になる





未詩・独白 うたたねのすきま Copyright  2004-12-04 20:32:48
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