みどりの切符 
服部 剛

今迄きらいと思った人と 
互いの気持をぶつけた後で 
くるり、と心が回転して 

鳥の場所から眺めれば 
思いもよらぬ親しみが 
じゅわっと胸に湧いてくる 

その時ようやく私は
私のみの願いを離れ 
賢治さんが好きだった 
イギリス海岸のほとりで仰ぐ 
夜空に敷かれた線路が 
うっすら視えてくる 

銀河を走る列車の目指して走る 
「幸福の国」への旅は始まり  
ポケットにみどりの切符を入れている 
密かな旅の一員となるのです 








自由詩 みどりの切符  Copyright 服部 剛 2012-04-11 23:11:00縦
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