夕暮れの海 
服部 剛

誰かが自分に投げた棘を 
この両手でつつめるだろうか? 

私は弱いので 
すぐ相手に投げ返してしまう 

後から思えば 
それは些細なことであり 
体を少し斜めにすれば 
宙に消えゆく棘であり・・・ 

また、失敗するかもしれない 
でも、もう一度 
ふいに飛んでくる棘を 
この両手でつつんでみよう 

(たとえ一筋の血が流れても)

それができるまで 
この狭い心は 
夕凪に照らされてうたをさざめく 
あの憧れの海じゃない 








自由詩 夕暮れの海  Copyright 服部 剛 2012-04-03 23:59:29
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