着岸
アオゾラ誤爆

何度もみた
夢のつづきなのかもしれない
しろい腕がとどいた
ビルのうっすらと翳る

ほこりのように 積もっていて
砂のように舞い上がりそうな
潮の匂い
 

 (あ ずいぶんと
  くだったんだね
  この川)


いちど てばなして
二度と開けなくなった
貝のような記憶が
灰色の深い波のうねりに
さらわれてしまえば
いきぐるしくつっかえる
この喉のおもりが
はじけるのに

橋が渡すひとのながれ
闇のながれ
ひかりのながれ
追いつけないのが悔しくても


 (街はもう、
  夜を
  むかえたんだろうか)


客船は糸のような傷をひいて
なまぐさい水平の上を
すべってゆく

きっと
降り立つのなら
まだ白紙の便箋のような
あまい躊躇いに満ちた



自由詩 着岸 Copyright アオゾラ誤爆 2012-04-02 05:47:44縦
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