防災っていうか減災
ふるる


減災は、災害による「被害を出さない」ことを目指すのではなく、「被害をできるだけ小さいものにとどめる」ことを目指す考え方です。防ぐではなく、軽減する、ということなので、被災して当然、その時、それから、どうすんの?という見方ですね。自然に100%勝つなんて無理だもんね。

減災、ぜひやれるもの、やってみて下さい。

○家具・家電の固定

阪神・淡路大震災では、箪笥の下敷きになったり、テレビが飛んできて亡くなったお子さんもいました。
インテリアも食器もふっとんできますので、なるべく固定するかしまうか下に置くかしないといけません。
テレビと電子レンジが飛んできたら怖い。オフィスならコピー機も怖い。
インテリアに口を出すと文句言う奥さんがいますが(私のように)かまわずやって下さい。とりあえず、TVの足とTV台をビニール紐でつなぐだけでもいいのです。完璧でなくとも、テーブルの下に逃げる時間が稼げればいいのです。
タンスや本棚など大型家具は、壁に固定がいいけど、賃貸物件だとそうもいきません。
前側に折りたたんだ新聞やダンボールをかませましょう。斜めになって、前に倒れてきにくくなります。つっかい棒とか、天井との隙間に箱とか、詰め込むのもいいです。
窓ガラスは割れると危ないので、常にレースのカーテンを引いておきましょう。飛散防止フィルムもあるけど、高いし。
吊り下げ型の電灯も、天井にぶつかって電球が割れたり、床に落ちてきて危ない。とりあえずは、ゴミ袋でくるんじゃえ。
電灯ははめ込み式がいいですよ。ホタルックだと、急に消えても短時間は光っているので便利。
冷蔵庫は固定バンドが売ってますが、壁に器具を固定してとなると、やっぱり難しいですね。倒れる途中でテーブルで受け止めるとか、場所の工夫を。

○ぐらっと来たら

・家の中
ガスは勝手に止まるので大丈夫。コンロの火は揺れてる時は近づいたらだめ。消すのは、揺れがおさまってからでも間に合います。
揺れている時に動けたら、頭をかばいつつ避難路の確保。ドアを開けます。窓にはガラスが割れて危ないから近づかない。
這うほどの揺れなら這ってテーブルの下。ただし、高層階ではテーブルも一緒に動くので、脚にしっかりつかまって。
身を隠す場所がなければ、本を頭から少し離して頭上に。それもなければ、耳を二の腕でふさぐ感じで頭と首の横の頚動脈をガード。

木造家屋の一階にいる人は二階に。木造は先に一階が崩れる「層破壊」を起こすので、二階の方が安全です。鉄筋コンクリートの建物の場合、まずいきなり崩れることはありませんが、一階部分が吹き抜けになっている建物は危険です。液状化で土台そのものが崩れる場合や、長周期地震動との共振である高さのビルだけが崩れることもあります。しかし、こればかりは予測がつきません。

家を出る時は、窓とドアを閉めておいたほうが、近所が火事でも延焼防止になります。ブレーカーは落としておきましょう。通電→家電が発火→壊れたガス管のガスに引火→火事、というのが多いそうです。

・外出中
ビルのガラスが降ってくるので注意。自動販売機は重さ1トンもあるので注意。ブロック塀や瓦にも注意。
ガス管が破裂したり、自動車が突っ込んでくるので注意。
家の中よりもよっぽど気をつけなくちゃいけません。街路樹に抱きつくのがいいです。電柱は倒れるからだめ。

・地下街は
地下は、構造がしっかりしているから地上より安全だそうです。60メートル置きに脱出用出口があります。

いずれの場合も、揺れは1分でだいたい収まるので、1分だけ耐える。ゆっくり60数えるといいかも。

・とりあえず身を守った。揺れが収まったら、次、どうすんの?
安全な場所へ移動するなりして安全の確保をした後、困るのが、情報の遮断、灯りがないこと、トイレに行けないことの3点なので、そこを考えて下さい。逆に言えば、まずすることは、この3点の確保です。灯りは100円ショップで懐中電灯が売ってますから、各部屋に1つずつ置いとくといいでしょう。飛んでいかないように工夫を。真っ暗だったら探せないですから。
ただし、ライターなどで火をつけると、漏れたガスに引火の恐れがあるのでライターは使わないで下さい。
何かに火がついてたら、できれば消火。消火器がない時は、布を水で濡らして被せます。


○普段の備え

ハザードマップのチェック。
ハザードマップは、国土交通省のHPで見れます。洪水や津波の予想マップです。土地が低い場所にいる人は、川が氾濫したり、堤防が壊れた時のことも考えましょう。
家族間で、避難場所の確認。第一、第二、第三と、三箇所くらい決めておくとよいです。
水はとりあえず確保。大人は三日三晩飲まず食わずでも死なないそうですが、多分トイレが困るので。トイレ用はお風呂の残り湯でよいのです。後、ペット用の砂。用を足す前と後に袋に入れとくと、吸水と消臭になります。
飲料水としては一人一日3リットルが目安だそうです。ネットで2リットルペットボトル12本とかすぐ注文できるから、今は便利ですね。
枕元には靴を。
食べ物は、冷蔵庫とか、レトルトとか、お菓子とか、あるでしょうからよしとします。あっても困らないので、好きな人は色々そろえてもいいかと。アルファ米という乾燥米は、水だけでも食べれます。
あったかいのが食べたい人は、卓上コンロとガスも準備。

ところで・・・・
非常持出袋って、いつ持ち出して、どこで、どんな風に、使うんでしょう???
疑問です。(補足:以前はそう思っていましたが、熊本では、何度も大きな地震があって自宅に戻れない方が多数なので、やはり避難所生活に必要なものをまとめたリュックやキャリーケースは必須です!!)
調べてみると、非常持出袋は、家が無事でなく、何も取り出せなかった人へ差し上げるおとまりセットと考えるといいようです。
なるほど。
こんな意外なものが役に立った、という例では、耳栓(避難所のいびき対策)、トランプ(退屈しのぎ)、口紅(メイクで心も明るく)、などがあります。私は漫画と頭痛薬を入れたいですね。頭痛で眠れないのってすごいつらいから。

非難持ち出しリュックより、外出時にエレベータに乗っていたり電車に乗っていたりして閉じ込められた時用に、常にかばんに入れておいた方がいいと思われるもの。
○携帯電話、充電器、電池
○大きいゴミ袋(小さくたたんでおいて。トイレ用、煙にまかれた時の一事しのぎ、雨よけ)
○スーパーの袋(骨折の際の腕を吊るもの、布を敷いて横を切ればおむつ、の代わりになります)
○バンダナ(マスクや包帯代わりに)
○お菓子(リラックス用)
○ホイッスル(自分の名前や血液型を中に書けるもの)
○生理用品(怪我の止血にも使えるし、トイレにもなります)
○あれば、テレホンカード(携帯つながらないから。171と自宅の電話番号で録音と再生ができます)

これ以上は邪魔ですね。でも、備えがないとあるとでは落ち着き度に差が出ると思います。もしもの時、慌てる人が一人でも減れば安全につながるし、一人でも多ければ危険が増す。家での非常時も、これらが入ったバッグを持って逃げればよいのです。
携帯電話の充電器は今すぐ買おう!

減災は、自分のためだけじゃなく、人のためでもあります。自分が怪我をしなければ、他の人が早くお医者に診てもらえる。備蓄食料も同じです。

できるものから、ぼちぼちと・・・どうでしょうか。



参考図書は以下です。
『災害からみる防災・減災Q&A』藤田 嘉美 (著)
『12歳からの被災者学―阪神・淡路大震災に学ぶ78の知恵』
メモリアルコンファレンスイン神戸 (著), 林 春男 (監修), 土岐 憲三, 河田 恵昭
『地震イツモノート―阪神・淡路大震災の被災者167人にきいたキモチの防災マニュアル』
渥美 公秀 (監修), 地震イツモプロジェクト (編集)


散文(批評随筆小説等) 防災っていうか減災 Copyright ふるる 2012-03-15 20:35:16
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