ミラーボール
佐伯黒子

トンネルの途中でせんせいが朝が来たよと言った
どこに来たのかなんてこわくて訊けなかったよ

それよりもiPodの電池が切れそうでおそろしいのです

地上のあの子の爆発がおさまるまでもつだろうか

せんせいがこわばった上頬を無理やり持ち上げて言った
やはりここにはミラーボールが欲しいねって

ねえせんせい
わたしが地上に戻るときは
あなたに爆弾を仕掛けられた時で

ミラーボールはそれだけでは光らないのよ
とはこわくて言えなかったよ

それよりもiPodの電池が切れそうでおそろしいのです


自由詩 ミラーボール Copyright 佐伯黒子 2012-03-14 00:45:16
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