2号線
アオゾラ誤爆

行き交うひとの多さと、
あまい匂い
金曜日が騒がしく幕を引こうとする
すこしの不安とだれかの思惑
サインカーブを追うふりをして
およぐ視線
まだ気付かない

時刻表通りに
ページはめくられていたんだ
冷えた頬も
あかい指先も
焦がした季節のぶんだけで
いっぱいなんだ

乗り慣れないホームドア
異世界へのトンネルをくぐるように
崇高な

いそぐ影と影のつなぎめ、解けていく
ふれたそばから忘れてしまう
あなたの温度がほしいな

ここはもう地上だろうか
真夜中の街の明かりが駅舎のすきまから零れて
坂の多いあなたの町がしずかに現れる

ただ耳を清ませた

この身体には乗せきれない
熱も氷も心臓をとかしてゆくばかりだ
よけいな音がすこしも聞こえない
あなたの、
あなたの夢をみていると
02系はあざとく
そっけなく終着する



自由詩 2号線 Copyright アオゾラ誤爆 2012-03-09 01:26:56
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