いもと嫁さん 
服部 剛

結婚前の嫁さんを僕は(きれいだなぁ)
と、うっとり見ていた 

結婚後にいつも一緒の嫁さんは、時折 
いもに見えることがある 

高熱にうなされ 
布団からふらふら身を起こした僕に 
嫁さんは、蒸かしいもを持ってきてくれた 

この手を暖める蒸かしいもには 
嫁さんのまごころが宿っている 

どんな天気の日にも共に歩むひとがいるのは 
困った時に助けてくれるひとがいるのは 
なんとありがたいことだろう 

いもを食べ終えて 
水を1杯飲んだら 
ようやく目が覚めてきた 

いもだった嫁さんの顔が 
ひとに戻った 








自由詩 いもと嫁さん  Copyright 服部 剛 2012-02-26 21:12:07
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