スタートライン 
服部 剛

「位置について、用意」 

乾いた鉄砲が空に鳴ったら 
時を忘れて 
自らの存在が溶け去る迄 
只、走り続けよ 

脳内から分泌される 
あどれなりんの快楽が 
体内を巡り 
魂の入口に入る時  
屍だった体は生き始める 

気づいたら 
一日を走り終えた、背後に 
ぽっかりとした 
夢の時間を振り返り 
安堵のため息をつけるように 

布団を被って夢見る寝顔の少年は  
明日の朝日に燦燦さんさんと照らされた 
スタートラインで、身構える 

「位置について、用意」 








自由詩 スタートライン  Copyright 服部 剛 2012-02-20 23:31:30
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