ミサイルの雨
komasen333

降り注ぐミサイルの雨
彼の地で見下ろす眼差したちよ  今、何を想う?


連日激しさを増していく  画面伝いの数的被害規模
連日激しさを増していく  画面伝いの映画的超現実
連日激しさを増していく  画面舞台の評論分析絢爛



決してミサイルの雨が降り注ぐことなき国からのほほんと願う
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき国から感覚的に願う  
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき国から気軽に願う        
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき国より慈悲チックに願いしは、ミサイルの雨あがり



無数の願いが
無数の祈りが
同じように決してミサイルの雨が降り注ぐことなき国々からのほほんと願われていることだろう



彼の地で見下ろす眼差したちよ   この無数の願いが聴こえていますか?   
彼の地で見守る眼差したちよ    この無数の願いが聴こえていますか? 



かつて注がれたミサイルの雨、時を経て注ぐ側に立っている現在    
何を想う?
かつて畳み掛けるように注がれたミサイルの雨、時を経て畳み掛けるように注ぐ現在   
何を想う?



おそらく微かにも聴こえていないのだろう     
たとえ微かでも聴こえていたとしても、聞く耳すら貸さないのだろう



彼の地で見上げる眼差したちへ   この無数の祈りが届いてはくれませんか?
彼の地で天を仰ぐ眼差したちへ   この無数の祈りが届いてはくれませんか?



おそらく微かにも届いていないのだろう
たとえ微かでも届いていたとしても、受けとる余裕などまったくないのだろう



決してミサイルの雨が降り注ぐことなき人生の途上よりのほほんと願い綴る
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき人生の途上より感覚的に願い綴る  
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき人生の途上より気軽に願い綴る  
決してミサイルの雨が降り注ぐことなき人生の途上より願い綴りしは、ミサイルの雨あがり


数えきれない願いよ
数えきれない祈りよ  
集合した果てに巨大な風となれ      
ミサイルの雨を降らす黒き雲の連なりを、遠くへと吹き飛ばしてゆくほどの風となれ



願うだけなら、祈るだけなら   一平和主義どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一非戦唱和どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一博愛主義どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一和平要求どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一反闘技どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一反戦歌どまり
願うだけなら、祈るだけなら   一偽善詩どまり

刹那的に倫理的に感情的に    願うだけなら自己満足どまり
刹那的に倫理的に感情的に    祈るだけなら自己優越どまり


願うだけなら、祈るだけなら    まだ、寝ていろよ  
願うだけなら、祈るだけなら    まだ、無知でいろよ
願うだけなら、祈るだけなら    まだ、無関心でいろよ
願うだけなら、祈るだけなら    まだ、臭い物に蓋してろよ

生やさしい願いや祈り以上の覚悟がないなら   もう、寝たままでいろよ
生やさしい願いや祈り以上の覚悟がないなら   もう、無知なままでいろよ
生やさしい願いや祈り以上の覚悟がないなら   もう、無関心なままでいろよ
生やさしい願いや祈り以上の覚悟がないなら   もう、臭い物に蓋したままでいろよ


刹那的に倫理的に感情的に    合唱するだけで分かち合える時代は終わった
刹那的に倫理的に感情的に    連帯するだけで開ける時代は終わった
刹那的に倫理的に感情的に    叫喚するだけで共感を呼ぶ時代は終わった
刹那的に倫理的に感情的に    願うだけで得点稼げる時代は終わった
刹那的に倫理的に感情的に    祈るだけで徳点稼げる時代は終わった



数えきれない願いよ
数えきれない祈りよ
集合した果てに巨大な運動となれ     
ミサイルの雨を降らす黒き雲の連なりを、遠くへと押し出してゆくほどの運動となれ

願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一平和主義貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一非戦唱和貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一博愛主義貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一和平要求貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一反闘技貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一反戦歌貫徹の萌芽
願いや祈りは始まりに過ぎないと位置づけることで初めて   一偽善詩貫徹の萌芽



数えきれない願いよ
数えきれない祈りよ
集合した果てに盛大な序章となれ      
ミサイルの雨を降らす黒き雲の源泉を、中長期的に駆逐してゆく歴史の序章となれ



重々自覚済だ       指摘されるまでもなく、使い古されているのは
重々承知済だ       糾弾されるまでもなく、聞き飽きられているのは


その上で、繰り返してきたんだ     何度も、何度も
その上で、繰り返していくんだ      何度も、何度も


自由詩 ミサイルの雨 Copyright komasen333 2012-01-26 13:32:25
notebook Home 戻る  過去 未来