千鳥の群 
服部 剛

国宝館に展示された 
古の絵巻に描かれた 
松林の青空を 
千鳥の群が 
羽ばたいていった 

国宝館の外に出て、仰いだ 
古の都の青い空にも 
千鳥の群の
後ろ姿は消えていった 

胸中に無数の羽音のざわめくまま 
家路に着いて、夕餉の煮物を 
箸でつまんで口に入れる頃 
ふと、思う 

あの千鳥の群は今頃 
何処を飛んでいるだろう 








自由詩 千鳥の群  Copyright 服部 剛 2012-01-16 23:59:57縦
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