あおぞら
あおば

          120114




無自覚な試作品の顔を撫でながらも
失敗作だと悔やむ
青空の製作は難しくて
寒がりだから
何回作っても天井にへばり付いて
なかなか降りようとしないのだ
部屋の温度が低すぎるのだから
寒いから当然だと識者は指摘するが
手を伸ばしても顔の仕上げが出来なくて
ざらざらなままにしておくとすぐに駄目になる
ガスストーブを点けると天井付近は温度が高まり
彼等の適温を超えて直ぐに痛んでしまうのだ
危ないから早く降りろと
なんど注意しても聞いているふりして聞いていないから
今度も上手く仕上がらなかった
いっそのこと寒がらない曇り空に仕様変更して
近くの空き地で入念に仕上げてみようと考えている
もしかしたら春が来たと勘違いして
そのまますっと空高く上昇して
顔を洗ってすべすべになり色も変えて
青空になって帰ってきてくれるかも知れない
夢みたいなことだけど実行しない限り実現しないのも確かだから
明日の日曜日には思い切って実行してみようと思う










「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作 タイトルは、ひかりさん



自由詩 あおぞら Copyright あおば 2012-01-15 17:02:02
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