幾筋の陽光に寄り添う観覧車
komasen333

雲の切れ間から神々しいほどの射し具合で零れる太陽光線
4限前の屋上伝いで思わず見惚れ
この景色を切り取りたいと 心の底から想う



絵画のような場面  
そのままスケッチし始めたくなるような美しき構成     スケッチは大の苦手でも



降り注ぐような幾筋もの光の帯があまりにも印象的で
適度に重層めいた雲の群れがあまりにも絶妙的で   僕は、ただただ感嘆を漏らすばかり




なんて綺麗なんだろう   
こんなに綺麗な景色がこんな身近に隠れていたなんて
なんなんだろう  こんな一瞬で変わってしまうものなのかな    
もう、何を背負い込んでいるのかなんてどうでもよくなっていくようで


なんて鮮やかなんだろう  
こんなに鮮やかな景色にこんな風に偶然出逢えるなんて
なんなんだろう  こんな一瞬で吹き飛んでいってしまうものなのかな    
もう、何を迷っているのかなんてどうでもよくなっていくようで



見惚れつつ歩き続けて向かった売店
イマイチ進捗具合の悪い  
ここ数週間 まともに手がつけられていない卒論用のファイルを購入
自分から自分へ発破をかけるように購入


売店から外に出て再び眺めた空
雲とその切れ間から射し込む陽光の神々しいまでの風景はここでも続いている
向こうから1つ、2つ・・・・   こんなにも連なっている
向こうから1つ、2つ・・・・   こんなに素晴らしい風景がここにあったなんて


ふと、そのとき駆け巡った


あと何度、こんな素晴らしい空をこの屋上伝いの高さから眺められるのだろう と     
ありがちな話だけど、あまりにも当たり前のように捉えすぎていた

あと何度、こんな素晴らしい夕暮れをこの屋上伝いの高さで迎えられるのだろう と    
ありがちな話だけど、落ち着いてきてようやく細部まで見えてきたんだ



もう、残りは少ないけれど
少しでも多くしっかりとじっくりとこんな素晴らしい空を一つでも多く眺めてみたい

もう、残りは少ないけれど
少しでも長くしっかりとじっくりとこんな素晴らしい景色を少しでも長く焼きつけておきたい




穏かにぼんやりと
だけど、くっきりと  
幾筋の陽光
滲む橙  
棚引くように 重なるように雲たち
連なる山脈
添える名残の観覧車
ジオラマみたいな町並み
霞む4限間近




こんなに綺麗に包んでいてくれた景色たちを決して決して忘れない
こんなに鮮やかに包み込んでくれていた景色たちを何かしらの形で活かしたい
      
そんなロマンチックな高揚を齧りながら、大講義室へといつもより早歩き


自由詩 幾筋の陽光に寄り添う観覧車 Copyright komasen333 2012-01-15 11:21:44
notebook Home 戻る  過去 未来