宝もの
服部 剛
一日の仕事を終えた後
同僚がデジタルカメラの中から出した
小さいカードがないと言い
皆でうろうろ
あちらの引き出しを開き
こちらの机の下を覗いた
15分後、元気印のAさんが
束ねた書類のすき間から
ぽろっと落ちたカードをつまみ
右手をあげて「あった!」と叫び
皆揃って拍手をした
一日働いて疲れた後なのに
皆で一つのものを探して
気づくと僕も重い腰をあげていた
職場も
家庭も
世の中も
地球という名の
惑星
(
ほし
)
に住む
全ての人も
探しているのかもしれない
幼き頃に夢見たような
たった一つの宝ものを
自由詩
宝もの
Copyright
服部 剛
2012-01-13 23:59:48
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