夫婦の星 
服部 剛

浜辺にて、両手で掬った 
無数の砂に 
たったふたつの光った粒は 
あなたと私 

無限に広がる宇宙の闇に 
ぽつん、と浮かんだ地球の中で 
たまたま出逢った 
あなたと私

たとえ、世界のすべてが背を向けても 
唯一の味方として 
互いの手を握り 
深い穴から這い出すように 

いかなる天気の日にも 
ふたりの思案をひとつに重ね 
ふたりの夢をひとつに重ね 

明日へと続く長い長い一本道に 
足跡をつらねてゆくことは 
どんなにかけがえのない日々でしょう 

あなたもいずれ 
潮騒の響く浜辺にて 
両手で掬った 
無数の砂に視るでしょう 
ふたつの星の、瞬きを 








自由詩 夫婦の星  Copyright 服部 剛 2012-01-13 23:51:35
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