さけび
服部 剛
なかなかはいはいが進まずに
布団に顔を埋めた
周
(
しゅう
)
を
仰向けにしてやったら
全身を
真赤
(
まっか
)
にしてうああ、と泣いた
周は、悔しがっているのだ。
夢中で声援を贈りながら
床を這って見守るパパとママに
もっといいところを見せたい、と――
がんばって、疲れた周に
思わず両手をさしのべて
胸に抱き、頭をなでれば
数分後には
腕
(
かいな
)
の中ですやすやと
天使の寝顔は、夢を見る。
布団に埋めた顔を上げ
うああ、と叫びながら、前へ、前へ
小さい手足で布団を這った
周のガッツに
じーん・・・と打たれてしまったパパは
我が胸に抱く、天使の寝顔に誓うのだ
間違いだらけの日常を
うああ、と叫び
お前のように、這ってゆく
自由詩
さけび
Copyright
服部 剛
2012-01-13 23:35:42縦