波打ち際商店街
日雇いくん◆hiyatQ6h0c

かっての賑わいも今は昔。歴史を誇る埼玉県川越市南古谷にある波打ち際商店街も大型ショッピングモールの相次ぐ出店とこのところの不況であえなくダウン。すべての商店主がマンション建設を企む大手不動産に土地を譲渡し、年内でその歴史に幕を下ろす事となった。そこで年内いっぱい商店街を挙げてこれで最後とばかり大セールを行う事に。これで店じまいだもってけドロボーとばかりに市価の三割四割引は当たり前モノによっては七割引まであるというから商店街はたちまち押すな押すなの大盛況。おかげで年内を待たずに全店内はすっからかんのガーラガラ。やれやれ恩返しがいくらかできたんだんべいかと商店主たちは胸をなで下ろしていたのだが、闇討ち洋品店の婆さん一人ぽつりつぶやくあーら手袋だけ売れんかったのうもう冬なのに。仕方なく残った手袋だけを婆さんが仕舞おうとすると突然鬼が来て手袋を裏返し両手にはめると婆さんを六回ぶちそのまま去っていった。                  


散文(批評随筆小説等) 波打ち際商店街 Copyright 日雇いくん◆hiyatQ6h0c 2011-12-24 01:28:30縦
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